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(前編)保健同人社が目指す「BASE for your Well-being(ウェルビーイング)」実現の軌跡

身体的のみならず、精神的、社会的にも健康、幸福である世の中をめざす「保健同人社」(東京都港区)は、2021年に本社移転という大きな節目を迎えました。1946年の創業以来、70年以上にわたり健康を追究してきた同社が、移転先の新オフィス構築時に掲げたコンセプトは「BASE for your Well-being」。思いを実現するべく、清和ビジネスも新オフィス構築プロジェクトをサポートしました。プロジェクト実現までの軌跡をたどります。

「BASE for your Well-being」のコンセプトのもと構築された保健同人社のオフィス

面積  721㎡(218坪)
人数  約150名
構築期間  2020年9月 ~ 2021年4月
清和ビジネス業務範囲 PM・コンサル・設計・施工・購買業務

イノベーションのため必須だったオフィス改修

保健同人社は、創業(1946年)当時に不治の病とされていた、結核の療養指導雑誌の発刊を目的に創業されました。創業者自身に結核の闘病経験があり、「科学に基づいた予防と療養の知識を広めたい」という思いがあったといいます。以来、人間ドックの創案や、家庭医学書「家庭の医学」の発刊など、人々の健康を支える取り組みを続けてきました。長年培われた健康に関するノウハウを生かし、現在は企業の健康経営及び疾病予防をサポートする事業を展開しています。

長い歴史を持つ同社に転機が訪れたのは2020年2月。

三井物産(東京都千代田区)のグループ傘下になったことをきっかけにオフィス移転を検討、2021年3月に実施することを決定しました。移転の準備等のため、社内に新オフィス構築のための組織「CWXOオフィス」を立ち上げ、新たな働く場のコンセプト作りに着手することとなりました。

CWXOオフィスのメンバー。左から津久井理紗さん、川杉貴代さん、瀧澤かほるさん、花岡佐保さん

「今後新たなサービスを開発していくためにもオフィス移転は必要でした」。CWXOオフィスの一人である、同社疾病予防事業部企画開発室の津久井理紗さんはそう話します。

7階建ての自社ビルにあった旧オフィスでは、各部署でフロアが異なり、部署間のコミュニケーションが希薄だったといいます。机には書類や物が積み重なっているばかりか、マンションと隣接していたこともありブラインドは常に閉まっていました。オフィス環境の側面でも「良い状態とはいえなかった」(同社関係者)そうです。

健康に関わる同社だからこそ、社員が健康的なオフィスで働くことで新しいサービスが生まれる。こうした思いから、「BASE for your Well-being」というコンセプトを胸に、プロジェクトが動き出しました。

「ウェルビーイング」を実証する場へ

オフィス移転と同時に、同社では新しいミッション・ビジョン・バリューを策定しました。キーワードは「Well-being(ウェルビーイング)」。ウェルビーイングとは、身体的な健康のみならず、精神的にも社会的にも健康で、幸福である状態を指しており、WHO(世界保健機関)憲章の前文で定義づけられている概念です。

新しいミッションとして同社が目指す世の中を、「暮らすだけで『Well-being』を実感できる社会へ」と設定。

「新オフィスがウェルビーイングの拠点となる」「顧客にも来社してもらうことで、ウェルビーイングの重要性を認識してもらう」。新オフィスのコンセプトにはミッション達成への思いが込められています。

新オフィスプロジェクトについて振り返るCWXOオフィスのメンバー

プロジェクト推進にあたっては、保健師や管理栄養士、ストレッチトレーナー、健康経営に関する研究者など、専門家の知見も取り入れました。清和ビジネスも「オフィス環境構築の専門家」として関わっています。

CWXOオフィスの最高責任者であり同社カウンセリングセンター長である川杉貴代さんは「合計3社からの提案があったが、コミュニケーションの取りやすさと熱意、そして豊富な実績から清和ビジネスさんに決めました」と経緯について振り返ります。ウェルビーイングをもとにした空間評価システムであるWELL認証を取得しているという経験値も、選定の一つのポイントになったとのことです。

体制を整え、CWXOオフィスは社員と交流しながら、新オフィスへの期待感を全社的に高める取り組みを進めていきました。

全社員で新オフィスへの思いを共有

新オフィスのコンセプト策定時には、オフィス移転に関して期待することについて全社員を対象にヒアリング。「健康」への寄与に対する期待が大きかったことから、健康経営オフィス構築の方向に舵を切ることになりました。

ヒアリングは2020年5月から続けられ、一部はインタビュー動画として残されています。同年7月にはファイル共有ツールを用いて、全社員が動画を見られる状態にもしました。

ファイル共有ツールに掲載されたのは動画だけではありません。移転先周辺の施設のレビュー記事なども掲載することで、新オフィスへの期待感を社内で作っていったのです。「新オフィスに導入するコーヒーマシンについての試飲会や投票も実施するなど、社員を巻き込みながらプロジェクトを進めました」と津久井さんは説明します。

移転に際しては、不安を口にする社員も少なくなかったといいます。

例えば、フリーアドレスへの不安。旧オフィスでは固定席だったため、自分の席がなくなることに対して心配する社員もみられたといいます。意見は丁寧に受け止め、コミュニケーションを続けました。「大きな環境の変化を社員一人ひとりが前向きにとらえられるようにと心がけていました」と川杉さんは振り返ります。ペーパーレスを同時に進めることになったため、書類の処分についても細心の注意を払ったそうです。

新オフィスオープン直前の2021年1月には、社内の有志約20人による新オフィスに関するオンラインワークショップを実施しました。エントランスにアートを取り入れることが決まっていたことから、ワークショップはアーティストが主催。ワークショップの内容をもとに、創業時の思いが綴られた社訓とともに、希望や明るい未来に続いていく「道」をテーマにしたアートがエントランスに掲げられることになりました。

エントランスに掲げられている道のアート

社員とのコミュニケーションと同時に、専門家との意見交換や他社オフィスの見学も実施しました。全社員が新オフィスへの思いを一つにし、専門家の知見、他社事例も踏まえた上で、アイデアを形にするべく清和ビジネスとの打ち合わせも重ねられました。

2021年3月、ついに新オフィスがオープン。

旧オフィスで階ごとに分かれていた部署が、一堂に会することとなりました。新オフィスを見た社員から、CWXOオフィスに感謝の言葉が向けられたといいます。訪問した顧客は、「同じ会社とは思えない」と目を見張りました。ウェルビーイングを体現するオフィスが誕生した瞬間でした。

左壁面には75年の歴史を。新しいトピックを追加可能なデザイン。
鳥瞰パース
ゾーニング・プランポイント

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後編に続く


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