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【アステリア株式会社・前編】オフィス出社はもはやスペシャル! 出社率1割に合わせオフィスを再定義し、社員に特別な出社体験を提供

オフィスへの出社が「スペシャルな体験」になるようにしたい

企業向けソフトウェアの開発を行っているアステリア株式会社では、コロナ禍によってテレワークの比重が高まり、広いオフィスである必要性がなくなりました。

出社が当たり前ではなくなったことで、オフィスの在り方を再定義し、社員にとって出社がスペシャルな体験になるようにしたい。常に社員の働き方を考え変化を続けているアステリアは、2021年10月に本社オフィスを品川区から恵比寿プライムタワーへ移転しました。

本記事では、新オフィスに込めた思いを、アステリア株式会社 代表取締役社長 平野洋一郎様にうかがいました。生産性の高いワークスタイルと完全に噛み合ったオフィス環境からは、アステリアの考える理想の働き方を見ることができます。

“ただ仕事をするだけ”のオフィスでは出社する意義がない

オフィス移転についてお話するアステリア株式会社 平野洋一郎社長

––––コロナ禍以前からテレワークを推奨していると伺いました。

平野社長:
アステリアが初めてテレワークを導入したのは、2011年の東日本大震災がきっかけでした。その後もテレワークを積極的に取り入れ、2016年にはテレワーク推進賞(日本テレワーク協会)、2017年にはテレワーク先駆者百選(総務省)に選出されています。

当社では生産性の向上と柔軟な働き方の推進をはかっています。例えば天気予報での気温が35度以上だった日はテレワークを推奨する「猛暑テレワーク」など、ユニークかつ社員が働きやすい制度を生み出してきました。
 
とはいえ、あくまでも仕事のベースは出社してのオフィス勤務というスタイルでした。毎日テレワークというわけではなく、働き方の選択肢のひとつにあるという程度です。しかし、コロナ禍をきっかけに働き方を見直す必要が生じました。

2020年1月には既に全社的にテレワーク体制へ 

平野社長:
新型コロナウィルスが初めて発生したのは2019年12月のことです。当社では翌月2020年1月からいち早く全社的なテレワークを実施しました。これは全国でもかなり早いタイミングでの実施だと自負しています。

もともとテレワークの土壌が整っていた会社だったことで、社員もスムーズにテレワークへの移行ができました。
 
コロナによってテレワークが世間にも浸透したことで、取引先との会議などもオンラインで完結するようになります。これによって、出社する必要性が下がりました。

また、もともとテレワークを導入していたこともあり、出社率1割をキープしても生産性に影響がありませんでした。 

出社率が1割なら、社員にとって出社は非日常のものとなります。それに合わせて、オフィスも社員にとってスペシャルな体験を提供できるような場所に進化させなければならないと感じました。

これがオフィス移転を決意したきっかけです。

キャンプ場を連想させるオフィスエントランス

エリア、ロケーション・ビュー、オフィスづくりに込めた思い

––––オフィス移転に際しては、まずはどのエリア、どの物件にするか、そしてどのような内装にするのかを決めていくことがポピュラーな流れです。アステリアのオフィス移転では、それぞれにどのようなこだわりがあったのでしょうか

エリア

アステリアの旧オフィスがあった大井町は、オフィス街として発展しているエリアです。羽田空港に近く、出張や取引先へのアクセスなど働きに行く場所としては魅力的ですが、テレワークが常態化したなかではオフィスロケーションに新たな付加価値を追求する必要があると平野社長は感じました。

平野社長:
出社前やランチ、そして退勤後にも楽しみが多い、出社+αの楽しみがあるエリアがいい。都内にはそのようなスポットがいくつかありますが、旧オフィスから離れすぎては、通勤への影響もあります。

条件に合致する場所として恵比寿を選びました。恵比寿は商業施設が充実している以外にも、多くの飲食店もあり、社員が行きたくなるような魅力的なエリアです。社員や取引先の方からも好評で、恵比寿にしてよかったと話しています。

ロケーション・ビュー

平野社長:
オフィスの窓から見えるロケーション・ビューも、当社の社員や取引先の方に楽しんでもらうためには重要だと考えています。

移転先のオフィスは19階にあり、窓が多く、東京のビル群を一望することができます。

仕事に集中するだけならモニターやPC周りの環境を整備すればいいですが、社員にとってスペシャルな出社体験にするのであれば、ロケーション・ビューは外せない要素でした。

また、晴れの日は富士山がきれい見えることもこのオフィスに決めたポイントです

オフィスづくり

平野社長:
複数社へ見積もりの依頼をしましたが、清和ビジネスの提案した“湖畔の別荘”というコンセプトが最も当社の考えるイメージと合致していました

今回のオフィス移転では面積が4分の1まで削減される分、一つひとつの設備やアイテム、細部までこだわりたかったです。清和ビジネスではワントップですべてお任せすることができました。

––––複数社から提案を受けるなかで、清和ビジネスを選んだポイントはどこだったのでしょうか。

決め手はコンセプトのすばらしさだと話してくれました。“湖畔の別荘”という提案が、アステリアの求めていた社員の出社体験とマッチしました

コンセプトは“湖畔の別荘”こだわりの設備で社員をもてなすオフィス

––––なぜ、湖畔の別荘という提案になったのか。清和ビジネスでコンセプトデザインを担当した宮国に取材しました。

宮国(清和ビジネス):
オフィスから見える富士山をヒントに“湖畔の別荘”というコンセプトを考えたと話しています。富士山麓にある富士五湖のリゾート地が、アステリアからの要望にあった「非日常空間」「都会のオアシス」というキーワードと合致しました。そこにこだわりの杉を組み合わせることで、コンパクトリゾートのようなオフィスに仕上がりました。

オフィスに入ってすぐのバーカウンター

平野社長へのインタビューに続き、実際にこだわりの詰まったオフィスをご案内いただきました。そこには、さまざまな仕掛けも施されており、社員の方々の笑い声も響きます。

バーカウンター

まず目を引くのは、入ってすぐの場所にあるバーカウンターとワインセラー。旧オフィスにもワインセラーはありましたが、オフィスの端にあったとのこと。

平野社長:
今回あえて入口すぐに設置し、バーカウンターを増設したことで、社員同士のコミュニケーションを促進する狙いにつながっています。

社員2人でワインセラーの前に行くと、鍵が開き「社長のおごりです」とメッセージが表示されます。基本的にテレワークだからこそ、出社した際には社員同士のコミュニケーションが重要です。社外秘の情報を外で話すことはできませんが、オフィスならそれも問題ありません。

オープンスタジオ

テレワークの比重が高まった分、セミナー等はオンラインで行っています。そのため、オープンスタジオも用意しました。

PCに備え付けのカメラとマイクでも配信はできますが、しっかりとした設備があることでクオリティは雲泥の差です。

株主総会もここで配信しました。また、広いオフィスでは防音の扉などが必要でしたが、この程度の面積であれば、配信していることはオフィス中に伝わります。そのためオープンスタジオにしても不都合はありません。むしろ開放的な印象につながっています。

目で見て手で触れて「感じる」。リアルの大切さが伝わる木材

––––オフィスを回る中で、やはり気になったのが、木目や木をつかったオブジェ等。これもこだわりの一つですよね?

平野社長:
特にこだわったのは木材です
。奥のミーティングスペースにある机は、熊本県小国町にあるアステリアで所有している森の杉を使った特別製です。

この森は自社のメイン商材のひとつである「ASTERIA Warp(アステリア ワープ)」を500社に導入していただいた際、記念としてはじめた事業でした。その森で育てた杉が成長し、こうしてミーティングルームのメインテーブルとして使われているのを見ると、感慨深いです。

机以外にもこの森の杉が随所で使われており、合計100本使いました。そのおかげで、木の温もりが溢れるあたたかな雰囲気のオフィスになっています。また、各所の観葉植物もそれぞれ種類を変え、雰囲気を演出しました。

アステリアの森スタート時の様子 アステリア 平野社長ブログ「笑門福来」より

そのほかにも、アステリアの自社サービスである「Gravio(グラヴィオ)」を使い、CO2濃度を自動で計測しています。CO2濃度が高いと眠気につながるなど社員のパフォーマンスに影響しますし、感染対策の面から見てもよくありません。

取引先にアピールすることはもちろんですが、自信をもっておすすめできるサービスだからこそ、自社でも使用しています。

オフィス移転の反響

平野社長:
コロナ禍でのオフィス移転でしたし、オフィスの面積も小さくなったので、完成しても一度に全社員を出社させることはできません。

新オフィスを紹介するために、少しずつ社員に出社し、新オフィスの説明を行いました。社員からは好評で、テレワークメインの働き方になっても「行きたい」と思ってもらえるようなオフィスになったということです。

また、取引先からも好評をいただけていることがうれしいとも話してくれました。

杉のテーブルだけでなく、内装全体にアステリアの企業文化が刻まれていることで、お越しいただくこと自体が会社の紹介につながるようになりました。

今回のオフィス移転では、思い切ってオフィスの面積を従来の4分の1にしました。
出社率は1割ですので、このスペースでも問題ないという確信がありましたし、実際にオフィス移転後3ヶ月に1度のペースで実施している社内アンケートでも、8割の社員が働き方に満足していると回答しています。

テレワークがメインの働き方となった今、社員にとって出社することは非日常の側です。

そのため出社することが社員にとってスペシャルな体験となるようなオフィスづくりを目指しました。

ー後編では、アステリアの考える理想の働き方について紹介します。ー

【取材協力】
会社名:アステリア株式会社
設立:1998 年 9 月
資本金:2,275,343,330円
代表者:代表取締役社長/CEO 平野 洋一郎
web:https://www.asteria.com/jp/


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