歌舞伎の「所作」や「せりふ」でコミュニケーションを上質にする
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歌舞伎の「所作」や「せりふ」でコミュニケーションを上質にする

hataraku編集室

プレゼンテーション、交渉、面談。

大切なシーンでのコミュニケーションは、時にビジネスの成否を左右する重要な意味を持ちます。

それだけにスムーズなコミュニケーションを心がけたいところですが、得てして伝えたい気持ちが強すぎてプレゼンテーションが押し売りの様になってしまったり、逆に主張が弱くてポイントがぼやけてしまうことも往々にして起こります。

そこでご提案したいのが、日本の伝統芸能である歌舞伎の「所作(動きや仕草)」や「せりふ」を取り入れることでコミュニケーションをスムーズにし、かつ歌舞伎の「上質なイメージ」を上手く利用するというものです。

400年以上も続いてきた歌舞伎の世界には、観客を惹き付けて放さない工夫があります。

今回はそんな歌舞伎の技の数々をご紹介してまいりましょう。

<その1>女形の所作(動き・仕草)でハードな提案を柔らかい印象に

緊張は相手にも伝わるものです。

伝えたい気持ちが先走って表情が強ばっていては、上手くいくプレゼンテーションも失敗してしまいます。

また相手から反発を受けそうな、難しい提案をしなければならないケースもあるでしょう。

そんな時歌舞伎の女形の所作を取り入れれば、相手に柔らかな印象を与えることができるのです。

女性よりも女性らしい女形

歌舞伎は「男性が女性を演じる」という特殊な演劇手法を採用しています。

そこには「性」という絶対的な違いがあり、身体の構造や体型といったハンデをテクニックで乗り越えていかなくてはなりません。

そこで歌舞伎の女形は、女性のうちに潜む「女性のエッセンス」というべきものを取り出し、身につけることで「女性よりも女性らしく」見せることを可能にしたのです。

指先は語る

名刺を差し出す時や資料を手渡す時、指先に力を込め、きれいに揃えることを意識してみましょう。

また資料などを持っていない方の手を、持っている方の手の「手首」辺りに添えるのも効果的です。

指先がきれいに伸び、揃えられていると、その人は「隅々にまで神経が行き届いている」という印象を相手に与えます。

指先は口よりも多くのことを語ってくれるのです。

「半身(はんみ)」に構えることでメリハリをつける

挨拶をしたり、重要なことを訴える際、相手と真正面に向き合うのは当然ですが、常に正対していると相手に圧迫感を与えてしまう場合もあります。

そこで取り入れたいのが「半身」に構えること。

具体的には、左右どちらかの肩を少し引いたり、足を引くことで、相手に対し自分の身体を「斜め」に対するようにします。

こうすることで相手からは身体の見える面積が減ることになり、圧迫感を和らげることができるのです。

また身体をスリムに、スマートに見せる効果もあります。

<その2>「見得」はクローズアップ、ストップモーションの効果

歌舞伎には「見得」という演出方法があります。

これは現代のような様々な映像効果のない江戸時代、目を見開き、ポーズを取って動きを止めることで「クローズアップ」や「ストップモーション」といった効果を実現したもの。

見得をすることで、その役者の存在を観客の脳裏に強く焼き付けることができます。

そしてこれはビジネスの現場でも有効な手法です。

目を見開いたり、動きを一瞬止めてみる

実は人間は必死に何かを訴えようとする時、無意識に目を見開いたり、身体に力が入って動きが硬直していたりします。

ただ無意識下ではタイミングなどをコントロールできないため、これを意識的におこなってやるわけです。

具体的には、プレゼンテーションなどの山場、ここぞという時に目を見開き、目力を込めて相手を見つめたり、動きをわざと止めて相手の注意を引きつけたりします。

こうすることで相手の目線は貴方に釘付けとなり、心理的にクローズアップと同様の効果を与えることで、強い印象を残すことができるというわけです。

この時、先ほどの「半身」とは逆に、相手と正対するようにすれば、効果は更に高まります。

<その3>「大向こう」でタイミング良く相手を褒め称える


贔屓の役者に「成田屋!」「中村屋!」というかけ声をかけることを「大向こう(おおむこう)」をかけるといいます。

役者に対する最大の賛辞なのですが、この大向こう、タイミングがズレると芝居のリズムが悪くなってしまい、かえってしらけてしまいます。

芝居の最後などで役者が見得をして「バーッタリ」とつけ打ちが入った時がベストタイミングです。

これは得意先や交渉相手を褒める時も同じこと。

相手が一番褒めて欲しい時にタイミング良く褒めないと、効果は半減してしまいます。

得意先が「見得」をした時がチャンス

ではどんな時に褒めるのが効果的なのでしょうか。

それは相手が「見得」をした時です。

先ほどもお伝えしたとおり、人間は一生懸命に何かを伝えたい時、無意識に見得をしています。

相手がプレゼンテーションの最後を力強い言葉で締めくくり、目を見開いた瞬間、「さすが○○さんですね」と大向こうをかける。

これで相手は気持ちよくなり、貴方に対してとても良い印象を持つはずです。

<その4>日本人は七五調のせりふが大好き!耳触りが良く、印象に残る

『青砥稿花紅彩画(あおとぞうしはなのにしきえ)』通称『白浪五人男(しらなみごにんおとこ)』の中の弁天小僧の名ゼリフに

「知らざあ言って聞かせやしょう。浜の真砂(まさご)と 五右衛門が 歌に残せし 盗人(ぬすっと)の 種は尽きねえ 七里ヶ浜。その白浪の 夜働き・・・」というものがあります。

7文字・5文字・7文字・5文字と続く七五調のせりふは日本人にとって耳触りが良く、聞く相手は不思議と気持ちよくなってしまい、印象に残るものです。

このリズムを会話の中に取り入れてみましょう。

リズム感のある言葉で会話をスムーズに

会話のすべてを七五調にするのは現実的ではありませんが、プレゼンテーションの重要なポイントや逆に相手をリラックスさせたいブレークポイントで「さてこの度の ポイントは」とか「大切なのは ここからで」などと会話に七五調を挟み込んだりすると、相手に強い印象を与えたり、リラックスしてもらえたりします。

また七五調ではなくても、リズム感のある会話を心がけることで、円滑なコミュニケーションをはかることが可能です。

<その5>時には「黒子」に徹する

コミュニケーションは相手との距離感が大切です。

近すぎれば「鬱陶しく」、遠すぎれば「疎外感」につながってしまいます。

見得や大向こうといった手法で相手に迫って強い印象を与えることも大切ですが、時にはつかず離れず、相手に対し影のように寄り添うことが肝心な時もあるのです。

そこで参考にしたいのが歌舞伎の「黒子」。

黒い頭巾と黒装束に身を包み、舞台上で様々な演出補助をする黒子は、演じている役者を一番よく知るお弟子さんが勤めるのが決まりです。

歌舞伎の舞台上では黒は「見えないもの」として扱われる約束になっていますから、黒子は透明人間のようなもので、役者に影のように寄り添い、その役者が欲するタイミングで欲するものを渡すなどの働きをします。

ビジネスにおいても得意先や上司より目立つことなく、常に影の様に寄り添い、黒子のようにタイミング良く必要な提案や情報を提供できたら、感謝され、頼りにされることは間違いありません。

<その6>常に相手を気づかうこと

歌舞伎の舞台は常に生の本番ですから、映像作品のようにやり直しはききません。

それだけに役者はもちろん、地方(ぢかた)と呼ばれる鳴物や三味線の方々、大道具さんに至るまで、舞台に関わる人は全て、常に相手がどうしたいのか、何を欲しているのかということに気をつかっています。

そうすることでお芝居は円滑に進行し、不意のトラブルにも機敏に対応することができるのです。

今回ご紹介した歌舞伎の手法も、実は全てこの「気づかい」が出発点となっています。芝居同様、失敗が許されないビジネスの現場でも同じことがいえるはずです。

コミュニケーションを上質にする歌舞伎の気づかいや手法。ビジネスにも取り入れてみてはいかがでしょうか。

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