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早稲田中学・高校の将来を見据えた学校教育のカタチ 

1895(明治28)年、大隈重信の教育理念に基づいて創設された早稲田中学校・高等学校は、早稲田大学の附属・系属校のなかでも最も古い歴史を持つ学校です。

2020年には、創立125周年を迎え、その記念事業として将来を見据えた校舎の建替事業に取り組まれました。

未来へのステージとなる新校舎にはどのような思いがあったのか、また未来に向けてどのような教育環境の向上を目指したのか、鈴木正徳教頭にお伺いしました。

新校舎のコンセプトは3つの「つながる」

Q:まず新校舎への思いや狙いをお聞かせください。

鈴木教頭:
校舎建替にあたっては、3号館(1976年竣工)、興風館(1981年竣工)の老朽化が進んでいたため、将来を見据えて新しい時代に対応した本校のあるべき姿を検討しました。そこで、コンセプトに掲げたのが、3つの「つながる」です。

1つ目は、「校舎がつながる」

これは全校舎をつなぎ一体化させ、立体移動を可能とすることで回遊性を持たせ、校舎間の移動を飛躍的にスムーズにするとともに新たな施設への利便性を高めました。

2つ目は、「生徒がつながる」。

これまで中学棟と高校棟など各校舎が別々でしたが、その中間にある新3号館と新興風館がハブ機能となって校舎が一体化されることにより、中高生の交流が盛んとなり、学習、クラブ、委員会などさまざまな場面で生徒たちの交流が活発化するよう、図書館、ラーニングカフェ、学習室、興風プラザ、ラーニングギャラリー、トレーニングギャラリー等の魅力的な空間をつくり、自然と生徒たちが集まってくるような場を創出しました。

3つ目は、「早稲田の街とつながる」

実は、新校舎建替で使用しているレンガは早稲田大学の大隈講堂のレンガと同じデザインのものを使っています。

長年この地で学んできた思いを大切にして、外観的にも早稲田の街並みにつながる校舎としました。

新校舎に込められた早稲田中学校・高等学校らしさとは?

本校では「人格の独立」を謳っており、特に、言行一致という意味での「誠」を教育目標の中心として掲げ、生徒の「個性」を伸ばしつつ、世界に貢献する「有為の人材」を育成することを理念に掲げています。

伝統ある中高一貫校として、本校が変わらず大切にしていることが新校舎にも生かされていると、鈴木教頭は語ります。
 
鈴木教頭:
新しくなった3号館には、物理・化学の実験室が2室ずつ、生物・地学の実験室が1室ずつ、さらに実験室として使える多目的教室が2室と、合わせて8つの実験室を設置し理科教育環境の充実を図りました。

これは、机上の学習だけではなく、自分で手を動かし、目で見て、発見、創造するという実体験を通した学びを大切にしたいという本校の強い思いが込められています。

今回は、各教科の先生たちにも積極的に参加してもらい、理想の実験室を目指してショールームで実際の設備や素材などを見て検討を重ね、生徒の安全性なども考慮しながらとことんこだわり抜き、特注仕様の納得のいく実験室ができたと思っています。

鈴木教頭:
本校では高2で文系と理系に分かれた後も、文理の枠を超えて基本的に全教科を学ぶことになっており、将来自分の進むべき方向を見極め、社会に出てからも広い視野から物事を考えられるよう、すべての分野をしっかり身につけさせたいと考えています。

さらに、教育環境の向上として新しく取り組んだのは多様な学びのスタイルです。

新しく設置した「学習室」は、ひとりで集中して学習したい時に使うスペース。また、調べ物をしながらカウンター席などで学べる「図書館」、友達と議論したり、相談しながら学習したい時には、渡り廊下の「ラーニングギャラリー」、食堂も使用時以外は仕切りを入れて生徒たちが自由に使えるスペースとしています。

ひとりで集中できる「学習室」
「図書館」のカウンター席

生徒の主体性を重んじて、その日の気分や目的に応じて、学びやコミュニケーションのスペースを使い分けながら、互いに刺激し合い、大いに高め合って欲しい。

上級生は下級生を見てあげる、下級生は上級生に相談もできる。そんなところも今回の新校舎を通して、生徒たちに期待しているところです。

インタビューにお答えいただく鈴木 正徳 教頭

Q:運動施設もかなり充実されましたね。

鈴木教頭:
学校が都心であるために運動場がどうしても狭くなってしまい、体育の授業やクラブ活動が重なってしまうと運用しづらい状況であったため改善が必要でした。そこで、スポーツ専用のメインアリーナを5、6階に設け、快適な空調環境による熱中症予防やケガ防止のために新素材の床材を採用するなど、生徒の安全性を高めながら伸び伸びとスポーツに取り組んでもらえるようにしました。

さらに、4階には柔道場・剣道場、2、3階には、約1,000人を収容できる誠ホールを設置し、集会などで使用していない時には第2体育館として有効活用できるようにしました。

誠ホールは第2体育館としても利用される

また、プールを地下に配置することでグランドを拡張。屋上にも運動場を設け、合計3,000㎡超の運動スペースを創出しました。

本校は、部活動が盛んで所属率が高いのも特徴です。体育系だけなく、折紙同好会など特色のある学芸部もあり、皆熱心に取り組んでいます。

コロナ禍で生徒たちもやや落ち込み気味でしたが、部活動や行事には、先輩から後輩へと伝えなくてはならない伝統がたくさんありますので、勉強だけでなく集まって部活動や行事に取り組むのも大事な教育機会です。

生徒たちには、新しくなった施設で思う存分楽しんでもらいたいですね。

早稲田中学校・高等学校が考える、「人をつくる」学校教育のカタチ

現在では教育改革が盛んに叫ばれ、特にデジタル教育の進展が注目されている時代。

早稲田中学校・高等学校では、この先どのような未来像を描いているのだろうか。返ってきた答えは、伝統校らしい、本質をついた興味深いものでした。

鈴木教頭:
中高一貫校としての長い歴史をもつ本校では、6年一貫教育としてのノウハウはしっかりと確立されています。どのように6年間を構成すれば、最後はどう仕上がるかというノウハウが完成していますので、そこは我々も自信を持っているところです。

これらも時代の変化や社会のニーズに応じてアレンジを加えながら磨き上げてきたものですが、どの時代でも変わらず教育の基盤はここにあります。

普通教室には全教室プロジェクターを導入し、画像や動画などを活用した授業やプレゼンテーションを行っており、今回情報教室も2室設置しました。

設置された「情報教室」

デジタル教育のいいところは積極的に取り入れていますが、これはあくまで手段にしか過ぎません。
今回の新校舎もそうですが、「本質は変わらない。手段が変わる」ということです。

特に、中高の6年間は精神的に大きく成長していく時期です。
学校は勉強だけの場ではなく、「人を育てる」「人をつくっていく」ということも、我々の大きな使命だと思っています。

本校では、文化祭などの学校行事もそうですが、クラブの夏合宿のスケジュールなどもすべて生徒たちが主体的に作り上げています。

学校で設定している行事以外に、学年ごとに企画するものもあり、行事はかなり充実していると思います。活動における自主性・創造性の発達は、学業にも有効にはたらきます。

勉強だけではなく、仲間と一緒に何かに取り組む、あるいは先輩・後輩の関係を築く、ということも、生徒たちが成長するうえでとても大事なことです。

中1の鎌倉研修や中3の地学実習などを行っているのも、まず学校で概念を学び、実際に見て、感じて、考えて、グループワークでみんなで意見交換しながらレポートにまとめ上げていく。

ふだんとは違う空気のなかで、あらためて友だちと同じことに興味を持っていると気づいたり、さまざまな時代の価値観があることを知ったり。そんな意味のあるアクティブラーニングの貴重な体験を通して得られたものが、すべて人間的な成長につながっていくと思います。

新校舎で、生徒たちの学ぶ意欲や行動が変わっていく!

新校舎は、6層吹き抜けの開放感あふれる印象的な建築。その壁には、校歌の歌詞にある“緑の稲穂”をイメージしたグリーンが大胆にあしらわれ、見る人のエネルギーを呼び起こすような効果を発揮しています。

また、木の手すりが導線とともに広がり、生徒たちのつながりを象徴するかのようにどこまでも伸びやかに続いていきます。

2023年4月から新校舎の運用が始まり、まだ間もないのですが、生徒たちの行動や意識の変化が見られるようになったといいます。生徒たちや保護者様の新校舎に対する評判や反応、ご意見などを伺いました。
 
鈴木教頭:
まず6層吹き抜けの空間やたくさんの新しい施設を目の前にして、生徒たちは気持ちがワクワクするような高揚感を感じたようです。それによって、モチベーションも高まっているように思います。

校舎の一体化によって移動も楽ですし、以前と比べ物にならないほど使い勝手も良くなっているため、生徒や保護者様には大変好評をいただいております。

ラーニングギャラリーにあるテーブルとイスなども、最初は使ってくれるかな、とも心配していたのですが、そこに座って友達と勉強していた中学生に話を聞いてみると、この前は調べたいことがあったから図書館を使って、今日は友達と一緒に勉強したいのでラーニングギャラリーを使っていると話してくれました。

渡り廊下の「ラーニングギャラリー」は集う場所に

もう生徒自体が自ら目的に応じて必要な場所を選んで、いろいろな形で交流を深めているんですね。

学習室などでも、朝早くからきて自習に使っている生徒も見られます。
校内を回ってみると、どの場所にも生徒たちがたくさんいて、大変活気あふれる姿を見るたびに、期待していた以上の喜びを感じます。

ここからいろいろな発想やユニークなアイデア、自主的な活動やコミュニケーションがさらに大きく広がり、生徒たちの輝かしい未来にもつながっていくことを大いに期待しています。

Q:では、最後に清和ビジネスに対して一言お願いします。

鈴木教頭:
清和ビジネスには、実験室をはじめ、各施設の家具や設備・什器、装飾品など、設計会社ともにトータルにご協力いただきありがとうございました。

新校舎のコンセプトをご理解いただき、各施設の目的に応じて、カラーリングやデザイン、素材、機能など、設計会社とも細部にわたってディスカッションしていただきながら、コスト調整なども的確に行っていただきました。

生徒たちが集まる交流の場にふさわしい空間が出来あがったと思います。


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