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UZABASE オフィス構築事例【前編】

「共創」「熱」「象徴」。
3本のコアバリューと企業カルチャーの共有が導いた、オフィス移転プロジェクト

ソーシャル経済メディアのNewsPicksや企業・業界情報プラットフォームのSPEEDAなど、経済情報を軸とした複数の事業・サービスを展開するユーザベースは、2022年7月、本社を港区六本木から千代田区丸の内に移転しました。

UZABASEオフィスエントランス

「共創が起こる場所」「熱を生む場所」「象徴となる場所」という3つのコアバリューを骨太のコンセプトとして掲げた今回の移転プロジェクト。

IT企業やスタートアップ企業がひしめく六本木から、日本を代表する伝統的オフィス街である丸の内に移転した背景には、どんな狙いがあったのでしょうか。

取材では今回の移転プロジェクト成功の背景にある、同社のユニークかつ強固な企業カルチャーに迫っていきます。

「人は財産」多様な働き方の選択肢を提供するのは会社の使命

「人は財産と考えるユーザベースにとって、メンバー(※)の「集まりたい」という選択肢を奪うことはできません。常に受け入れられるだけのキャパシティを準備しておきたいと考えています。」
(※メンバー:同社社員の呼称)

今回お話を伺った、ユーザベース総務(同社ではWaku Work Teamと呼んでいる)の林さんはそうおっしゃいます。

移転前のオフィスは成長・拡大を続けるユーザベースにとって手狭になっており、メンバーを集め、チームビルドするのにも支障をきたしていました。
オフィスの移転・拡大は喫緊の課題だったのです。

天井のダクトを利用したデジタルサイネージ

「共創」「熱」「象徴」という3つのコアバリューを実現する場所、丸の内

当初はサテライトオフィスをいくつか設けることも検討されましたが、すぐに丸の内・三菱ビルに1本化されました。

そこにはビジネスパートナーである三菱地所からの提案という流れもありましたが、今回の移転プロジェクトの基本コンセプトである、

「共創が起こる場所」「熱を生む場所」「象徴となる場所」という3つのコアバリューを実現するには、丸の内が最適であるというのが最大の理由でした。

ユーザベースがこれまで以上に大きく飛躍していくためには、丸の内の新オフィスへの移転がどうしても必要だったのです。

『共創』する場を提供することで『熱』を発生させ、生産性を向上させる

「我社にはコミュニケーションを取ることで新しい力が生まれるという考えが元々あるんです。」と林さん。

創業当時からリモートワークを可能としているユーザベースには、基本的に出社義務はありません。

集中して作業したいときは在宅ワークの方が向いている場合もあり、オンラインで会議をすることもコロナ禍の今日では当たり前になりました。

確かにこと効率のことだけ考えれば、移動時間をオミットできるリモートワークの方が優れているケースもあるかもしれません。

しかし本来会社として重要視するのは、優れたアイデアを数多く生み出し、生産性を向上させることです。

そこで重要なキーワードとなるのが今回のコンセプトである「共創」「熱」になります。

偶然の出会い、何気ない会話がないとセレンディピティは生まれない

完全フリーアドレスのオフィスに出社すると、偶然席が隣になった人や廊下ですれ違った人と、「久しぶり。元気?」とか、「最近入社した○○です。よろしくおねがいします。」といった何気ない会話が生まれるシーンが多々あります。

そしてその会話は、普段の会議やミーティングで交わされる硬直化したものではなく、部署やグループを横断した従来にないものになりやすい。
そしてその会話の中から、革新的なアイデアが生まれる

幸運な偶然を手に入れる力を「セレンディピティ」といいますが、このようなコミュニケーションはセレンディピティを生み出しやすいのです。

ところが以前の六本木のオフィスでは、部署ごとにゾーンが分かれてしまっていて、このようなコミュニケーションが十分に取れませんでした。

そこで完全なフリーアドレスにして、オフィスは『偶発的な出会いが新しいソリューションを生むという考え』を具現化する場としたのです。

これが「共創」となります。

そして相手の反応が伺いにくいオンライン会議やウェビナーでは感じづらかった熱意も、オフィスでの直接的なコミュニケーションではダイレクトに感じることができます。

その熱意は共創の中で成長し、大きな熱いうねりとなっていく
これが「熱」の部分です。

オフィス内を案内していただくと、歩道の縁石まで再現されているリアルな「ストリート」があり、その沿道には「バス停」があったりします。
フレキシブルに働くことができる場所をたくさん作る、つまり街のようなオフィスを作る中で、人が自然と滞留するスペースを設けている。
そうすることで人が集い、会話がはずみ、新しいアイデアが生まれます。

オフィスという共創を施す場所を提供し、熱を生み出すことで生産性の向上を目指しているというわけです。

バス停で生まれる偶発的な出会いはアイデアの創出につながる

大手とベンチャーが結びつく新しい丸の内を『象徴』する場所

ユーザベースの新しいオフィスは、共創する場を提供することで熱を発生させ、生産性を向上させるという機能の他に、伝統的オフィス街である丸の内という街が「リニューアル」した象徴という機能も期待されていました。

今回の移転をユーザベースに提案した三菱地所は、丸の内地区一体の「大家さん」という顔を持ちます。

その三菱地所は以前から、丸の内を旧態依然とした硬い大手老舗企業中心の街から、スタートアップ企業も活躍できる新しい街にしていきたいと考えていました。

しかし丸の内にいきなりスタートアップ企業が移転してくるのは少々敷居が高い部分があります。

そこで、大手老舗企業とスタートアップ企業の双方を顧客として抱えるユーザベースが、ハブとなって両者を取り持ち、企業同士の共創関係を作っていこうと考えたのです。

そして新オフィスを新しい丸の内の「象徴」の場としたのでした。

「異能は才能」「自由主義で行こう」という企業カルチャーを具現化したオフィス

では今回のプロジェクトの核となった、「共創が起こる場所」「熱を生む場所」「象徴となる場所」という3つのバリューは、どのようにして生まれたのでしょうか。

そのベースにはユーザベースが創業当時から持ち続ける、「異能は才能」「自由主義で行こう」という2つの企業カルチャーがあります。

「異能は才能」多様性を重視する企業カルチャー

生産性の向上という企業が最も重要視すべき命題を考えた場合、「同質」な才能が交わっても革新的なアイデアが生まれてくる可能性は低く、飛躍的な生産性の向上は見込めません。

やはり「異質」な才能が交わってこそ、それまで考えもつかなかったような革新的なアイデアが生まれやすいといえます。

そこでユーザベースでは、さまざまな才能を持ち合わせたメンバーが自由に交流できるオフィスで働くことによってこそ、新しいものを生み出すことができると考えました。

そこから「異能は才能」という多様性を重視する企業カルチャーが生まれてきたというわけです。

そしてこの多様性を重視する企業カルチャーは、「共創」「熱」といったコンセプトにつながっていきます。

「自由主義で行こう」というバリュー

異能という多様性を認める姿勢は、自由を重んじることに繋がります。
そのためユーザベースでは、できる限りルールを作らず、自由に働くことが推奨されてきました。

ただもちろん無条件に自由に行動すれば良いというわけではありません。
自由の代償として生産性を最大限に高めることが求められ、そのために自分たちで考え行動することが必要となってきます。

これが「自由主義で行こう」というバリューに隠された、「自由と責任」の真意です。

この行動様式は、新オフィスにも色濃く反映されており、自由な時間に自由な場所で仕事をすることで共創状態を作り出し、高い生産性を実現することにつながっています。

ここまではユーザベースの新オフィスに詰まった概念的なことをお伝えし、「なぜこのようなオフィス形態になったのか」ということを探ってまいりました。

続く後編では、オフィスが新しくなって何が変わったのか、プロジェクト進行上で苦心した点など、具体的な姿を紐解いてまいります。


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