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【アステリア株式会社・後編】コロナ禍で変わったオフィスの役割 生産性と売り上げを向上し経費削減につなげるKBW(気分・ベースド・ワーキング)

オフィス移転によって、オフィス面積を4分の1にしたアステリア株式会社。後編では、浮いた賃料を活用することで実現した、アステリアの考える理想の働き方についてうかがいました。(前編はこちら)

3ヶ月に1度のアンケートで8割が生産性の向上を回答

アステリアでは大胆にオフィス面積を削減し、出社率1割のテレワークを実施しています。定期的に行っている社内アンケートでは8割の社員が満足していますが、一方で、主に新入社員を中心とした1割の社員からは働き方に関する不満の声もあがりました。

その内容を分析すると、コミュニケーションの問題が浮かびあがります。中途採用も含め入社したばかりの社員にとって、会社やチームの雰囲気を知る前にテレワークを実施しても、気軽にコミュニケーションを取れないということです。

これはアステリアに限らず、テレワークを働き方の中心としている多くの会社で生じる問題でしょう。アステリアでは2つの施策を行い、この課題を解決されています。

今回もアステリア株式会社 代表取締役 平野洋一郎様にお話を伺いました。

インタビューにお答えいただいたアステリア 平野社長

アステリアが行うコミュニケーションを加速させる施策

①チームミーティングの実施

平野社長:
特に新メンバーの加入したチームでは、出社のタイミングをそろえ、チームミーティングを実施することを推奨しています。

やはりメンバーの人となりを知ることがチームの心理的安全性を生みますし、雑談から生まれるアイデアもあります。

このようなコミュニケーションを促進するためにも、バーカウンターを会社の入り口すぐの場所に設置しました。

オフィス内に設置されたバーカウンター

もちろん、感染症の状況次第ですが、会社周辺のお店で歓談してもらってもかまいません。

オフィスを恵比寿にしたことで、行きたくなるようなお店が周辺に多くあります。チームミーティングの実施によって、まずはチームが一丸となることで、働きやすい環境に改善しました。

②グループワーケーションの実施

平野社長:
チームミーティングを順調に行えたとしても、他部署のメンバーとの関係性が深まる機会はなかなかありません。

これを解決するために、いろんな部署から集まってもらったワーケーションを実施しました。

ワーケーションの様子(アステリア INLIVEより)

前回は熊本県の水上村に6名で行きまして3泊したのですが、やはり日ごろとは違う発見が社員のなかであったようです。

こちらは、秋田県(2017年)、シンガポール(2019年)、軽井沢(2020年)に実施。まだまだはじまったばかりの施策ですが、ぜひ継続しようと考えています。

テレワーク中心になると、集まって働くことで出てくるアイデアやイノベーションはどうしても減ってしまいます。

セレンディピティを大切にするためにも、コミュニケーションの機会は意図的に増やしつつ社員が楽しんで集まってもらえるようなオフィスと制度をデザインしました。

現在も定期的に社員アンケートは実施していますが、これらの対応によって社員の満足度は向上しています。

オフィス移転で削減された賃料を、社員の働き方サポートにあてテレワークのし易さを追求

ーーーー中には、自宅で仕事がし難い方もいるのではないでしょうか?高い生産性を維持されるなか、どんな取り組みをされているのでしょうか?

平野社長:
出社率が1割である以上、当然ですがオフィスを魅力的にするだけでは社員の働きやすさを確保することはできません。

残りの9割、出社していないときの働き方をサポートすることが、生産性の向上には欠かせないのです。

アステリアでは3つのサテライトオフィス運営会社と契約し、社員にそれぞれ好きなオフィスを自由に使ってもらっています。

Regusは世界3,400拠点、国内170拠点以上のワークスペースが利用できる

家で働くことが最も集中できる社員は在宅ワークをしますし、契約したサテライトオフィスを活用する社員も多いです。

また、3つ契約してみて発見したことなのですが、部署によってよく活用するサテライトオフィスに違いがありました。

社員の働き方に応じてサテライトオフィスの使い分けることができる。

エンジニアの社員にとっては、静かでじっくりと開発できる環境があるサテライトオフィスがマッチしますし、営業の社員にとっては、アポイントの合間に利用できる、駅の近くにあるサテライトオフィスが便利です。

社員の働き方はそれぞれです。そのため、契約したオフィスが合う社員とそうでない社員との差が生まれてしまいます。

このような不公平感はチームや会社にとってよくないことです。

複数のサテライトオフィスと契約することで、不公平感をなくし、より多くの選択肢を提供できるようになりました。

また、3つ契約しても移転前の賃料と比較すれば安くなったので、経費を削減しつつ、生産性の向上につながっています。

ABWよりもKBWの方が、社員が快適に働ける

ーーーーー仕事の内容に応じて、働く場所を選択できる。ABWを街全体で行っているイメージですね?

平野社長:
近年ABW(アクティビティー・ベースド・ワーキング)という概念が多くの企業にも浸透してきているように感じます。

フリーアドレスをベースにそれぞれの業務に最適な場所で働くことを指しますが、アステリアではその先を考えています。

アステリア ワークスペースの様子

KBW(気分・ベースド・ワーキング)

平野社長:
社員は機械ではありません。その日の体調や気分、環境によって、「最適な働く場所」は日々変動しているのではないでしょうか。

アステリアでは以前から35度以上の猛暑日はテレワークを推奨していましたが、これも一例でしょう。

暑ければ通勤に体力を奪われてまで出社する必要はありませんし、そういう日は家から出ずに働いた方が健康的にもいいはずです。

ただし、毎日家にこもりっぱなしでは気が滅入ってしまう。同じ業務を行う社員でも、その日の気分や環境、業務内容によって最適な場所は変わります。

そのためアステリアではA(アクティビティ)ではなくK(気分)をベースに働くKBW(気分・ベースド・ワーキング)を提唱しています。

3つのサテライトオフィスと契約しているのも、このためです。
9割のテレワークでは気分に合わせて働く場所を変え、1割の出社はスペシャルな体験になるようにオフィスをデザインする。

ここまで環境を整えることが、社員に気持ち良く働いてもらうためには必要だと考えています。

社員が楽しく働ける環境にしないと、これからの仕事はうまくいかない

平野社長:
アステリアでは、以下の5つのオフィスから社員一人ひとりが気分に合わせて働く場所を選べることを、理想の働き方だと考えています。

生産性のカギは社員が気持ちよく働けること

コロナ禍の影響でセンターオフィスの役割が変わりました。

無理に全社員を集める必要がなくなったことで、スペースを減らし、その分をほかの4つのオフィスへの投資に回す。

それによって社員が気持ち良く働けることが生産性向上のカギですし、現代はそうすることこそが会社としての売上にも直結すると考えています。

とはいえ、センターオフィスをおざなりにするのもよくありません。センターオフィスこそが会社の文化であり、取引先にとっての顔にもなります。

アステリアにとってのセンターオフィスは、社員にとって特別な出社体験を提供でき、コミュニケーションの場となるオフィスでした。

恵比寿という立地、19階からの展望、そして湖畔の別荘をコンセプトとし、自社の杉をふんだんに用いた内装。今回のオフィス移転をきっかけに、大きくセンターオフィスを理想に近づけることができました。

また、浮いた賃料を他のオフィスへの投資に回すことで、テレワークにおいても、気持ち良く働いてもらえる環境を構築できました。

移転担当者インタビュー

ーーーー最後に、今回のオフィス移転プロジェクトを担当したアステリアのスタッフから、清和ビジネスにオフィス移転を依頼した感想を伺いました。

移転ご担当者様:
清和ビジネスに依頼してありがたかったのは、私たちの要望に沿ったコンセプトを提案してくれたことです。

また、プロジェクトの初期の段階からCGを用いて内装イメージを共有してくれたおかげで、完成したオフィスをイメージしながらプロジェクトを進めることができました。

自社の森の木を使うなど、あまりないタイプの注文をしたと思いましたが、柔軟に対応していただけたことも印象的です。そして、内装に関わるすべてのアイテムをワンストップでお願いできたこともコミュニケーションコストの削減となり、スムーズにオフィス移転を進めることができました。

【取材協力】
会社名:アステリア株式会社
設立:1998 年 9 月
資本金:2,275,343,330円
代表者:代表取締役社長/CEO 平野 洋一郎
web:https://www.asteria.com/jp/


【前編はこちら】

オフィス構築事例記事

まとめ

今の課題をなんでもご相談ください!

はじめてのオフィス移転もこれで安心!



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